「つわりで仕事を休むのは甘え?」つらい時の休み方・伝え方と職場で使える制度を解説

つわりが辛くて仕事を休みたい…。けど「どこまで我慢すべきなんだろう」。「周りに迷惑と思われてしまう」と、容易には職場へ相談できないという人が多いのではないでしょうか。
この記事では、つわりで休むか迷ったときの判断ポイントや、上司や同僚に上手く伝える方法など、妊娠中の女性が無理せず、仕事と向き合える対処法をご紹介します。
※この記事は情報提供のみを目的としています。医学的なアドバイスや診断については、医師や専門家にご相談ください。
つわりで仕事を休みたいけど…これってただの甘え?

妊娠中は身体のなかで大きな変化が起きているため、体調が優れず「仕事を休みたい」と思うのは当たり前のことです。
「つわりで仕事を休むのは甘えなのかな?」と考える人もいるかもしれませんが、そもそもつわりの体調不良は精神論や気合いでどうにかなるものではありません。
つわりによる体調不良の原因はまだ完全には解明されていませんが、妊娠すると大量に分泌されるホルモン「hCG(ヒト絨毛性ゴナドトロピン)」の急激な増加からくるものとされています。
また、つわりの辛さは一定ではなく、毎日辛い ・日によって体調が変わる ・特定の時間帯(午後など)から辛くなる ・特定の場所(職場など)に行くと辛くなる など、時間や場所、環境によって変わることもあり、「昨日は大丈夫だったから」と言って、毎日が大丈夫というわけではありません。
つらいと感じたその時に、ためらわずに休むことが大切です。
無理していない?仕事を休む・早退を検討する症状チェック
仕事を続けるなかで「これくらいなら大丈夫」と無理してしまうこともあるでしょう。しかし、妊娠中の体はとてもデリケートで、無理を重ねることで症状が悪化することもあります。
必要に応じて、休むか判断できるように、つらさの客観的な目安を知っておきましょう。
※つわりがひどくなり、重症化すると「妊娠悪阻(にんしんおそ)」と診断される可能性もあります。下記のような症状が続く場合は、我慢せずに仕事を休み、かかりつけの医師に相談しましょう。
- 1日に何度も嘔吐してしまう
- 水分すら受け付けない、または体重が妊娠前から5%以上減少した
- めまいや立ちくらみで、まっすぐ歩くのが難しい
- トイレ以外、ほとんど起き上がれない
自己判断で我慢し続けるよりも、早めに医師の診察を受け、身体を休めることが重要です。
「診断書がないと休めないのでは?」と不安に感じる人もいるかもしれませんが、実際には診断書がなくても休めるケースがほとんどです。ただし、症状が長引いてしまい長期休職する場合や、会社側から書類の提出を求められた場合には、医師に相談して診断書を依頼しましょう。
つわりで休むかどうか迷ったら、「我慢できるか」ではなく「身体が休みを求めているか」体からのサインに耳を傾けてみてください。
仕事で張り切ることも素晴らしいですが、あなたと赤ちゃんの健康がもっとも大切なことを忘れないでくださいね。
【例文あり】上司・同僚への上手な休暇の伝え方&報告のタイミング

仕事を休む際、単に「休みます」と伝えるだけではなく、周囲への配慮や業務調整を意識することで、スムーズな協力体制を築けます。
上司や同僚から気持ちよく理解・協力を得るための具体的な伝え方と、タイミングや連絡の工夫を紹介します。
妊娠報告のタイミング
不安も多い安定期前に、職場への報告は、ためらう人も多いのではないでしょうか。しかし、直属の上司にはできるだけ早めに伝えておくことをおすすめします。
早期に報告しておくことで、業務内容の引き継ぎや業務量の調整、スケジュール調整なども相談しやすくなります。
また、上司が妊娠の状況を把握していると、体調不良で急に休む場合でも、上司の指示で他のメンバーが業務をフォローしやすくなるため、職場全体に迷惑をかけにくくなります。
上司への妊娠報告の伝え方(例文付き)
上司に協力してもらいたい場合は「報告」よりも「相談ベース」で伝えるのが効果的です。
休みをとりやすくするための例文をご紹介します。
「いつも〇〇さんにはフォローいただいておりますが、現在、妊娠〇週に入り、体調が不安定な時期が続いています。今後、急なお休みをお願いする可能性もあるため、働き方についてお時間のあるときにご相談させてください。」
「ご相談のお時間いただき、ありがとうございます。現在妊娠〇週で、つわりのため体調が不安定です。業務内容の引き継ぎについてはしっかり進めていきたいので、体調がままならないときのお休みについて、ご配慮いただけますでしょうか?」
当日に欠勤の連絡をする場合(例文付き)
当日に欠勤の連絡をする場合は、基本的には電話で連絡しましょう。
「つわりの症状がひどく、本日はお休みをいただけますでしょうか。」と伝えた上で、引き継ぎ事項を簡潔に伝えます。
- (電話)「本日中に行わなければならない引き継ぎ事項は〇〇です。詳細はメール(またはチャット)でお送りします。」
- (メール/チャット)「件名:勤怠連絡(名前) 本文:つわりによる体調不良のため、本日対応をお願いしたい業務『〇〇(担当:△△さんにお願いします)』、『〇〇(こちらは本日対応不要、出社後対応します)』」
といった形で、具体的な業務の振り分けや状況を連絡すると、より仕事への誠意が伝わるはず。
上司に電話がつながらない場合は、まず同僚や先輩に急用で休む旨を伝え、上司宛にその詳細をメールで連絡しておくのが良いでしょう。体調がよくなったら、後ほど電話で直接状況報告とお礼を伝えるのがベターです。
同僚への伝え方
同僚には、誠実な態度で報告することが重要。サポートへの感謝と前向きな気持ちを伝えることで、チームワークを大切にしている姿勢を伝えましょう。
サポートを得やすくなる例文をご紹介します。
上司への報告後、適切なタイミングで 「ご迷惑をおかけして申し訳ありません。いつもサポートいただきありがとうございます。」 「しっかり休んで体調が安定しましたら、また皆さんと一緒に頑張りますので、どうぞよろしくお願いいたします。」
相手の立場に配慮した言葉を選ぶことで、職場全体のことを考えていると好印象に受け取ってもらえるはずです。
無理せず働くために。妊婦さんが知っておきたい権利とサポート制度

職場に妊娠や体調について報告したとしても、「私の会社はそこまで対応してくれるか分からない」「職場側に迷惑をかけて、今後嫌な空気にしたくない」と感じる方も多いのではないでしょうか。
しかし、妊娠中に働く女性への対応は、法律によっても守られています。
これは「お願い」ではなく、安心して働くために認められた当然の権利です。
正しい制度を知っておくことで、遠慮せずに必要なサポートを求められるようになりますよ。
母健連絡カードは、最強のお守り!
母子連絡カードは、医師が妊婦の体調に応じて、「通勤緩和」「休憩」「在宅勤務」「休業」などの具体的な措置を記載する公的な書類です。
会社に母健連絡カードを提出すると、男女雇用機会均等法に基づき、事業主は記載内容に応じた対応を取る義務があります。
つまり、このカードを提出することで、妊婦が安心して働くための職場環境の整備を(会社側に)求める正当な権利が行使しやすくなります。
参考サイト:母性健康管理指導事項連絡カードの活用方法について
つわりで休む際に、会社で利用できる制度の一例
会社によって制度は異なりますが、次のようなサポートを受けられる場合があります。
- 時差出勤や短時間勤務
- 休憩時間の延長や回数を増やす
- 立ち仕事や外回りなど、負担の大きい業務の軽減
- 在宅勤務(テレワーク)への切り替え
- 長期間休む場合:「傷病手当金」の利用
とくに「傷病手当金」は、連続4日以上休み、給与が支払われないなどの一定の条件を満たせば、健康保険から給与の約2/3が支給されます。
自分の会社にどんな制度があるのか知っておくだけでも心にゆとりが生まれます。もし社内に前例がない場合でも、まずは総務や人事担当者に相談してみましょう。
仕事を休めない日はどうする?乗り切るためのシーン別工夫

つわりが辛くても「どうしても仕事を休めない日」や、「比較的、症状が軽いから出勤できそうな日」もあります。
そんなときは、できるだけ負担を減らし、少しでも快適に過ごせる工夫を取り入れましょう。
通勤中
つわりで食事ができず空腹の状態での人混みは危険です。電車通勤の場合は、満員電車を避けるために時差出勤を検討しましょう。
におい対策のためにマスクや、万が一のためのエチケット袋を携帯すると安心です。また、通勤中に、途中で休憩できる場所を覚えておくと安心ですよ。
仕事中(デスクワーク)
食べつわり対策として、こまめに口にできるような小さなおにぎり、グミ、ラムネなどを常備しましょう。
定期的に席を立ってストレッチをしたり、短時間でも外の空気を吸ったりすると気分転換になります。
仕事中(立ち仕事・接客業)
弾性ストッキングの活用や、こまめな水分補給を意識したりすることで負担を軽減できます。
立ち続けるのが辛いときは、可能であれば上司に短時間の休憩を相談してみてください。
帰宅時
徒歩や電車で帰宅する際に辛い場合は、無理せずタクシーを利用しましょう。その際、タクシーのにおいが気になるなら、香りの良いハンドクリームや口に当てるためのハンカチを用意しておくと安心です。
また、隙間時間などに、つわりの症状や日々の工夫を簡単に記録できる『CURMY』アプリを活用するのもオススメです。
食事や休憩など試した対策を記録して効果を振り返ったり、同じ状況のママたちの工夫を参考にして、日々のつわり対策に役立てられます。

つわりと仕事、無理せず向き合うために
つわりで仕事を休むことは決して甘えではありません。症状を客観的に把握し、必要に応じて休むことが、あなたと赤ちゃんの健康に繋がります。
お休みをもらったときや、業務をフォローしてもらったときは、上司や同僚に感謝を伝えることで、良好な関係を保て、休み明けの業務もスムーズに遂行できるはず。さらに、法律や制度を活用することで、無理のない働き方を見つけていきましょう。
日々、頑張っているあなたが、ゆっくり休養をとって自分の体と向き合える時間がとれることを願っています。
ライター/もえ◆元放課後デイサービス児童指導員、3歳男児&2歳女児を子育て中

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更新日: 10/23/2025



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