小1の壁とは?“リアルパパ”が具体的な対策から事前の準備まで調べてみた!

子どもが成長して自分ひとりでできることも少しずつ増え、やっと子育ても楽になってきたと感じる頃にやってくるのが「小1の壁」。
「小1の壁」とは、子どもが小学校に入学する際に、通学や下校時間も大幅に変わりサポートも増えるため、フルタイムで働いている親を中心に、仕事と子育ての両立に問題が生じることを指します。
仕事終わりまで預かってくれる幼稚園や保育園とはサポートが変わることを把握し、小学校の年間スケジュールなどを事前に押さえて、どのように対処すべきか事前に決めておきましょう。
参考:厚生労働省「令和4年度仕事と育児の両⽴等に関する実態把握のための調査研究事業」
小1の壁は何が大変?就学前と後でなにが変わる?

親の課題
まず、登校の時間と親の通勤時間が重なる問題がでてきます。一般的に、小学校の登校時間は8:00頃、7:00までに登園できていた保育園とは1時間の差がでてきます。
また、低学年(1〜2年生)の間は下校時刻も、5時間授業が多いため15時頃には学校から帰宅します。両親ともにフルタイムで働いている家庭だと学童の利用ができない場合、見守りが困難になります。
さらに、夏休み等の大型連休と親の休暇取得についての問題もポイント。小学生の夏休みは約40〜44日間、フルタイムで働く親はお盆期間のみの休暇が多いため休暇の取得に頭を悩ませることに。
子どもの課題
子どもにとっても小学生になったことで起こる生活リズムの変化に戸惑うことが多くなってきます。小学生からは帰宅後に「宿題」での学習もスタート、家での学習習慣を身につけていかないと周りに置いていかれるプレッシャーなど心理的な負担も大きくなります。
小1の壁の具体的な問題は?保育園の1年で何が違ってくるのか

一般的な行事や必要な準備について入学前から1年生の期間のスケジュールを月ごとに調査しました。自治体や地域によってスケジュールの前後がありますので、一例として参考にしてください。
入学前
- 学童の申し込み(前年11月頃〜)
- 入学説明会(1月〜2月)
- 卒園式(親子ともスーツの準備)
- 通学ルートの確認
4月
- 入学式
- 学用品の準備や片付け
- 学童からの送迎がスタート
- 宿題(親のサポート)
- PTA役員の選出
- 保護者会への出席
5月
- 運動会の準備(春開催の場合)
- ゴールデンウィーク期間の学童利用確認
- 保護者会や懇談会への出席
- PTA総会
6月
- 雨具の準備
- 夏季期間の授業準備(プールなど)
7月
- 夏休み(7月20日〜8月31日頃)
- 学童利用する場合のお昼の準備
- プール授業の準備
8月
- お盆期間の学童利用の確認
- 夏休み宿題のサポート
9月
- 2学期に向けた子どものケア
- 運動会の準備(秋開催の場合)
10月
- 秋の遠足の準備
- シルバーウィークの学童利用確認
- インフルエンザ予防接種
- イベント関連のPTA活動
11月
- 2年生進学時の学童申込(※年次で手続きが必要な場合が一般的。就業証明書などの準備)
12月
- 冬休み(12月25日〜1月7日頃)
- 年末の何日まで学童が利用できるかの確認
1月
- 進級後の学童利用可否の決定通知確認
- 面談や家庭訪問の準備
2月
- 学年末保護者会
3月
- 春休み(3月25日〜4月5日頃)
- 次年度PTAの選出
- 新学年の学用品準備
小1の壁をどう乗り切ったらいいのか?

自治体のサービスは積極的に活用
スケジュールにもあるように長期休暇の合計は年間で約60日前後。共働き世帯であれば「小1の壁」を乗り越えるため学童の利用は必須といえます。自治体によっては学童が定員オーバーする地域もあるため、進学前年の10月〜11月に行われる利用案内や説明会の確認が不可欠です。
また、仕事のコアタイムが19:00を超える家庭の場合には、学童の時間外に対応するためのサービスとしてNPOが運営している施設や東京都のファミリーサポートを利用することも検討してみて。
全国での対応サービス、トワイライトステイでは、平日の夜間や休日でも親が仕事、看病、出張などで子どもの養育が困難な場合に限り利用が可能。利用料金は、一般家庭で 800〜2,000円程度、非課税世帯やひとり親世帯は 350〜1,000円程度で一時預かりをしてくれる制度もあります。
どの制度に関しても利用申請が必要な場合がほとんどなので、お住まいの自治体で行なっている制度について利用したい場合は「子育て支援課」に相談してみましょう。
費用に余裕があるなら民間の学童サービスも魅力的
学童だけのフォローでは不安といった場合においては、民間のサービスを利用する手段もあります。自治体のサポートよりも手厚い内容となっていることが多く、長期休暇中の預かりサービスや送迎サポートだけでなく英語学習のサポートなど、時間に余裕がない親にとって魅力的なものが多いです。
ただし、1回あたりの利用料金がかかるため平日の週5回で利用した場合に、月額で5万円ほどの費用がかかってしまうのが難点。また延長利用や長期休暇の利用料金は別途かかるのが一般的なため、利用が必要な場合は事前に予算感を確認することをおすすめします。
代表的なアフタースクール(学童)一覧
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地域間のコミュニケーションで相互補助
お住まいの地域で同じ小学校へ登校している家庭がある場合などは、親同士の親睦を深めることで、登下校や放課後の時間を一緒に過ごしてもらう方法もあります。学年が近い家庭であれば良いですが、年齢による遊びや興味の違いも関わってくるため、お子様同士の様子を確認することは必須です。
そのほかに習い事をしている場合には、利用先と上手に付き合うことで、施設で待機させてもらうなどの手段を取れている家庭もあるそうです。本来の利用とは違ってきますので、あくまで緊急時のみや深い親交がある場合に限ると認識しておいてください。
親はどこまで小学生をフォローアップする?

登下校、放課後の動きを常に確認
昨今は、連れ去りやイタズラなどの事件を耳にすることも多く、心配なご家庭も多いはず。実際に調査された結果では、小学校入学時にGPSを持たせた家庭は約6割を超えたとの結果もあるようです。参考:学研キッズネット
最近では、「みまもり携帯」や「Apple AirTag(エアタグ)」などの登場により、子どもの様子を管理できる様になっています。トラブルに巻き込まれないためにも小学校入学時にはGPSの所持を検討しておいたほうが良さそうです。
毎日の登校準備は習慣化させる
小学生になって学校で習ってきたからといって、子どもだけでの登校準備は難しいものがあります。低学年のうちは親がサポートしながら少しずつ、前日に準備することを習慣化させましょう。早い子どもでは2学期からはほとんど自立してできるようになることもあるそうです。
もちろん忘れ物をすることもあるのでその様な場合には「準備をひとりで頑張って偉いね、次からは忘れものがないか最後に確認しようね」など肯定してあげてください。
親の働き方は変えたほうがいいの?
一部の企業ではライフワークバランスを見直して、子育てや家庭に無理のない働き方が勧められてきていますが、実際に成立できている職場はごく一部です。まだまだ子育てに理解の薄い企業や上司も多いため、部署異動などを望むなら人事部などとコミュニケーションをとって事前に仕事との両立への不安などを相談しておくのも大切になります。
いまの職場では相談や仕事との両立が厳しい場合には、単なる転職を考えるだけでなく、フレックスやコアタイムの自由化などを重きにした企業を探してみることも必要かもしれません。
どちらにしろ、これから子育てや自分たちの老後に関わる費用を考えると、収入にダメージがないような選択をしたいですよね。
また、夫婦がお互いのキャリアや現状を確認し合うことで一部の問題だけでも解決できる場合もありますので、焦らずに一度落ち着いて話し合える環境を設けてみてはいかがでしょうか。
小1の壁を乗り越えるなら事前準備を!
小学1年生になる子どもとの実際にしている準備していくことをチェックリストとしてまとめました。事前準備のチェックリストとして活用してみてください。
親
- 仕事と子育ての両立の不安点を職場へ相談する
- 学童利用への動きは(11月ごろから)早めに開始
- 学童でフォローできない部分は、民間学童を検討
- 約60日前後ある長期休みの間の対応も確認
子ども
- 新しいお友達や学習の機会が増えることを理解する
- パパやママと一緒に登下校のイメージを掴む
- 日中にお昼寝がない生活に慣れておく
まとめ
登下校についてのサービスを利用すればOKという訳ではなく、事前に小学生になったときの生活スケジュールをイメージすることで、困りごとを事前に把握できます。サービスを上手く活用し、仕事と子育ての両立に対する不安を少しでも取り除いてください。
この記事を読んでいるあなたは、早くから準備をしようとすでに行動している1人ですので、きっとお子さんにとっても自分たちにとっても、より良い答えに辿り着けるはず! 子育て真っ最中の仲間として一緒に頑張りましょう。
ライター/1児のパパむーさん◆ファイナンシャルプランナー2級
更新日: 6/18/2025